スペインとフランスの国境にまたがるピレネー山脈。
ピレネー山脈のスペイン側の一番の見どころといえばオルデサ国立公園です。
世界自然遺産のモンテ・ペルディドを有する敷地内にはほとんど手つかずの自然が広がり、この地域特有の植物や動物が多数生息しています。
オルデサ公園にはトレッキングコースがいくつもあり、気軽に歩けるルートもあるんですよ。
ここではピレネー山脈の魅力が詰まったオルデサ国立公園について紹介していきます。
オルデサ国立公園の魅力
オルデサ国立公園はスペインで2番目に古い国立公園です。
公園内には14,000種もの植物が生息していてこの地域でしか見られないものもあります。
生態系を守るための保護地域も沢山ありますが、わたし達が立ち入ることのできるエリアもちゃんとあるんですよ。
そしてオルデサ公園の楽しみ方はやっぱりトレッキングです。
公園内には色々なルートがありトレッキングしながら山の自然を満喫できるようになっています。
ここではわたしが歩いた一番人気のコースを紹介しますよ。
滝がいっぱいのトレッキングルート
ピレネー山脈中に沢山のトレッキングルートがあるのですが、オルデサ国立公園で一番人気のルートがオルデサの駐車場からコラ・デ・カバージョ(Cola de Caballo)という滝までの道です。
往復6時間で結構歩きごたえがあるルートですが、森の中をアラサス川沿いに進み沢山の滝を見ながら進んで行く道はピレネー山脈の自然を思う存分堪能できます。
コラ・デ・カバージョの近くからは世界遺産でもあるモンテ・ペルディドの姿も見ることができますよ。
小さい子どもと一緒に行ったわたしはコラ・デ・カバージョまでは行けなかったので、cascada de arripas、cascada de la cueva、cascada del estrechoという3つの滝を見てから川の反対側の森の中を引き返すコースを歩きました。
これだと片道2時間弱で歩けてさほどアップダウンもないので、4歳の息子でもなんとか歩き切れましたよ。
写真はわたしが歩いたルートの終着点に当たるcascada del estrechoです。
cascada del estrechoもかなり大きな滝で、展望スペースにいるとかすかに水しぶきを感じるほどでした。
わたしが行った日はとても暑かったのですが滝の周りの空気はひんやりとしていて本当に気持ちよかったです。
でもやっぱり見たかったなCola de Caballo。
深い森と珍しい野鳥たち
ルートは基本的に森の中を進みますが、歩いているとあちこちから聞いたことのない鳥の鳴き声が聞こえます。
国立公園内には68種類もの野鳥がいて、ちょっと森の中を覗くだけでも枝にとまっている珍しい鳥の姿を見ることができたりします。
標高の高いところまで行くと鷲もいっぱい飛んでいますよ。
トレッキングルートはある程度歩けるように道がつくられていますが、森の中には倒れた木などがそのままになっていたり、雨の影響で道に流れ出した川ができていたりとほとんど人の手が加えられた痕跡がありません。
すぐそこに広がる森でも深みがあってスケールの大きさを感じました。
川に足をつけてみる
ルートはほとんどアラサス川に沿って続いていきますが、途中何本か橋が架かっています。
駐車場からcascada del estrechoの中間地点くらいにある橋の近くから川に下りられるようになっていて、そこでは浅瀬で足をつけている人たちの姿が見られました。
わたしもおりて靴を脱ぎ川に足を入れてみたのですが、めっちゃ冷たくて驚きました。
その日は6月下旬だったのですがスペインが熱波に襲われていて国立公園内も結構暑かったにもかかわらず、水はまるで氷のようでしたよ。
川の流れが穏やかならぜひ手や足をつけてみてもらいたいです。
オルデサ国立公園についてもっと知ろう
オルデサ公園に行こうと考えている方もいると思うので、ここではオルデサ公園の基本情報やトレッキングする時のポイントなども紹介しておきます。
オルデサ公園観光の拠点など特に夏の間は要注意です。
どこにあるの?
ピレネー山脈はスペンのカタルーニャ州、アラゴン州、バスク州の3つの州にまたがって伸びていますが、オルデサ国立公園があるのはアラゴン州のウェスカ県になります。
マドリードからウェスカまでは車で約4時間、ウェスカからオルデサ国立公園まではさらに車で2時間弱くらいです。
気候
オルデサ国立公園の気候はピレネー山脈特有の気候です。
まず観光シーズンの夏6月から9月は平均最高気温が15度前後、平均最低気温が10度前後になっています。
わたしが行った時は熱波の影響で周りの人たちみんな半袖とハーフパンツで歩いていたのですが、あそこまで暑くなるのは相当珍しかったようですね。
例年通りの気温の場合は夏でもフリースやライトダウンなどの装備は必要になります。
ただ山の気候は変わりやすく突然暑くなったりまた逆に寒くなったりすることもあるので、半袖と長袖両方持っておくと便利ですよ。
またこれはオルデサ国立公園でも標高700mくらいの比較的低いところの気温になるので、もっと高くまで登るならもおっと気温が下がると思われます。
冬11月から4月までは平均最高気温が5度以下、平均最低気温はマイナスになります。
オルデサ国立公園の観光は5月から10月がおすすめですよ。
玄関口になるのはトルラ(Torla)のツーリストインフォメーション
オルデサ国立公園の観光するにはまずオルデサから少し山を下りたところにあるトルラという町に行きます。
ここのツーリストインフォメーションでオルデサ国立公園の地図がもらえたりルートについて詳しく教えてもらえます。
また7月と8月は観光客が多くなるのでオルデサ国立公園の駐車場に車を乗り入れるのが禁止になります。
そのためこのトルラのツーリストインフォメーションの駐車場に車を止め、ここから特別運行されるバスに乗り換える必要があります。
まさにオルデサ国立公園への玄関口ともいえる場所なんですね。
食べ物は持ち込みOK
オルデサ国立公園には食べ物を持って行くこともできます。
わたしが歩いている時も木陰でサンドイッチなどを食べている人が沢山いました。
1日中トレッキングを楽しむなら飲み物や昼食は準備しておきたいですね。
オルデサ公園の駐車場にあるバルではバゲットサンド(ボカディージョ:Bocadillo)をテイクアウトすることができるようでしたよ。
服装と靴
国立公園の道は舗装されているわけではなく岩がごつごつしているところも多いです。
靴は登山用の底がしっかりしているものを履いておく方が足への負担を減らせますよ。
服装は特にスペインの人たちはラフな格好で歩いている人が多かったです。
登山用のウエアでなくて例えばジーンズにパーカーでも浮かないと思います。
ただ温度調節できるよう夏でも上着を持って行ってくださいね。
まとめ
ピレネー山脈の自然の美しさは本当にとんでもないスケールでした。
見渡す限りずっと続いていく山並みと山の岩肌の力強さ、さらにそこに広がる深い森と野生の鳥たち。
大自然の中にいるのはとても心地よかったのですが、同時に少し恐れのような感情も湧いてきました。
でも国立公園を歩いていると自分が冒険に出かけたようなワクワクした気分になりましたよ。
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