スペインの文化とは?歴史や伝統からどんな国なのか知ろう

スペインに何となく興味があるという方や旅行するという方、スペインの文化についてご存知ですか?

スペインで暮らしてみて実感するのが、スペインの文化と日本の文化は本当に何から何までといってもいいくらい違います。

文化の違いには戸惑いを感じるものの、その違いを深く知れば知るほどスペインに対しての興味が増してきたりもします。

スペインの文化について何か知っているのとそうでないのとでは、スペイン旅行の面白さが変わってくるかもしれませんよ。

ここではスペインの文化について色々紹介していきたいと思います。

カトリックの影響が深い

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スペインはカトリックの国で、人口の67%以上がカトリック教徒です。

スペインでは自分が無宗教だという人も増えてきてはいるのですが、自分はカトリック教徒だという人の割合は無宗教を含む他の宗教を信仰する人より圧倒的に多いんですね。

ほとんどのスペイン人が生まれるとすぐに教会で洗礼をうけ、9歳になると初めての聖体拝領を祝う盛大なパーティーをします。

例え教会のミサに行く人が減ったといっても、スペインの文化とカトリックは切っても切り離せない関係なんですね。

これは日本でたとえ普段気付かなくても仏教文化が根付いているのと似ています。

クリスマスやイースターのお祝いや家族を大切にする習慣は、まぎれもなくカトリックの影響ですよ。

国王がいる

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日本の外務省のホームページの国紹介でスペインはスペイン王国と記載されています。

スペインは今でも国王が存在する国なんですね。

王国といっても議会君主制でもちろん民主主義の国なので、実際に政治をするのは国王ではなく選挙で選ばれた議員と首相です。

でも首相と内閣を国王が承認するという手続きがあったり、クリスマスイブに毎年国王が国民にテレビを通じてメッセージを送る習慣があったりと国王は国の象徴的役割を担っているんですよ。

多言語

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スペインといったらスペイン語でしょと思うかもしれません。

もちろんスペインの公用語はスペイン語(カスティーリャ語)でテレビ放送も全国ネットだとスペイン語で放送されていますが、実はスペイン語以外にも州で公用語として定められている言語がいくつもあるんです。

カタルーニャ語ヴァレンシア語バスク語アラン語等がそうなのですが、州の公用語以外の言語もあわせるとスペインには結構たくさんの言語が存在します。

なぜこんなに色々な言語があるのかというと、イベリア半島にはもともとは小さな王国が沢山ありスペインはそんな小さな王国が統合してできた国だからなんですよ。

1479年に国ができてから500年以上たった今でも、スペインの各州には小さな王国だったころの言語が残っているんですね。

各時代の遺構や名残が町に残る

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上の項でスペインが建国されたのは1479年と書きましたが、もちろんそのずっと前のそれこそ古代から今のスペインに当たる土地には町が築かれ人々が生活を営んでいました。

紀元前にさかのぼる長い歴史の中でローマ帝国の一部となり、カトリックの西ゴード王国が築かれました。その後イスラム王国に支配されていた時代があったものの、カトリック王国の勢力が勢力を巻き返し今のスペインの土台を形成することになったという歴史があります。

そのためスペインの町には色々な時代の遺構が今も残されています

例えばマラガで言うとローマ時代の劇場のすぐ隣の丘の上にイスラム時代のお城であるアルカサバがあり、旧市街の中心にはゴシック様式の大聖堂が建っています。

またコルドバのメスキータやセビリアの大聖堂のように、イスラム建築とカトリック文化が融合した建築物も残っていますよ。

一つの町に異なった色々な文化の名残が残っていてそれが全て調和しているのもスペインの文化の特徴といえるのではと思います。

スペインの歴史についてはこちらの記事で詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

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情熱的な伝統文化たち

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スペインの伝統文化というとフラメンコや闘牛など情熱的な物ばかりですね。

フラメンコの演奏や歌それに踊りを生で見ると、普段は感情の表現があっさりしている純日本人のわたしでも体の中から熱く切ない感情が湧き上がってきます。

豊かで深い感情は間違いなくスペインやスペインの人たちの魅力ですよ。

豊かな食文化

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スペインの人たちは美味しいものが大好きで食事の時間を大切にしています。

そのためスペイン料理のバリエーションはものすごく沢山ありさらに地方によって料理の特色が違たりもするので、とてもじゃないですがここで全部は紹介しきれません。

スペイン料理というとパエリアというイメージかもしれませんが、パエリアはスペイン中で食べられているもののどちらかというとバレンシア地方の郷土料理という位置づけになります。

スペインの食文化というとやはりバルで出される小皿料理のタパスなのではないでしょうか。

バルのカウンターでタパスをいくつか注文してまったり食事するのはスペイン旅行の楽しみの一つだと思います。

スペインでタパスを食べに行くことを“タペアル”と言うのですが、グラナダやハエンのバルでは飲み物を頼むとタパスが1つ付いてくるというシステムになっています。

マドリードでもこのシステムのバルをちらほら見かけますよ。

スペイン北部ではタパスのことをピンチョスと呼びます。

ピンチョスはスライスされたバゲットの上に串の刺さった料理を載せるというスタイルです。

バルセロナにはピンチョスを出すバルが多いんですよ。

スペインでは週末沢山の人がバルに集まり、超満員の活気あふれる雰囲気の中それぞれのグループで料理とおしゃべりを楽しんでいますよ。

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絵画や建築などで優れた芸術家を輩出

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スペインはその歴史の中で何人もの優れた画家や建築家を輩出しています。

スペイン人画家ときいて初めに思い浮かぶのはキュービズムを生み出した天才パブロ・ピカソでしょう。

マラガ出身の彼は『ゲルニカ』や『アビニヨンの娘たち』それに『泣く女』といった衝撃的な作品を生み出しました。

またスペイン絵画の3大巨匠といわれるベラスケスゴヤエル・グレコの壮大な作品は、今でもマドリードのプラド美術館で鑑賞することができます。

その他ミロダリも美術史に名を残した芸術家ですね。

そして建築ではアント二・ガウディがなんといっても有名です。

バルセロナを中心に沢山の独創的な建築物を生み出し、その大部分が世界遺産に登録されているのは皆さんご存知でしょう。

未だに建設が続いているサグラダ・ファミリア教会はスペイン有数の観光スポットの一つですね。

スペインを旅行しているとあちこちで優れた芸術作品に触れる機会がありますよ。

多彩なお祭り

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スペインの人たちはお祭りが好きなのか、各地で色々なお祭りが開催されます。

その中でも特に有名なのが3月に行われるバレンシアの火祭り、4月にあるセビリアのフェリア(春祭り)、7月に開催されるパンプローナのサン・フェルミン祭り(牛追い祭り)ですね。

セビリアのフェリアは人々が歌い踊るお祭りらしいお祭りなのです。一方街中でファヤという巨大な人形に火をつけるバレンシアの火祭りや、牛に追いかけられながら町の通りを駆け抜けるサン・フェルミン祭りは見ていてハラハラするスペイン独特のお祭りですよね。

この他にも沢山の人が広場でトマトを投げ合うトマト祭りや人間の塔が登場するメルセ祭りなど、とにかく変わったお祭りが多いんです。

有名なお祭りでなくても夏の間はスペイン中の色々な町で移動遊園地と屋台が並ぶ夏祭りが開催され、地元の人たちを楽しませてくれます。

8月中旬にあるマラガのフェリアはよく知られていて、この時期はマラガの街全体がお祭り気分に包まれ賑やかになりますよ。

スペイン文学といえば『ドン・キホーテ』

スペインで一番重要な小説というとミゲル・デ・セルバンテスによって書かれた『ドン・キホーテ』です。

1605年に発売されたこの小説はスペイン文学として初めて世界でベストセラーとなった作品で、これ以降のスペイン文化に多大な影響を与えたといわれています。

自分を騎士だと思い込んで旅に出る決意をしたドン・キホーテと家来のサンチョ・パンサそれに年老いたロバののハチャメチャな冒険譚は、いまでもスペインの人たちに読み継がれていますよ。

物語の舞台になったカスティーリャ=ラ・マンチャには今でもこの物語に登場するような風車がたくさん残っています。

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サッカーをはじめ色々なスポーツの強豪国

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スペインで一番重要なスポーツというと間違いなくサッカーです。

リーガ・エスパニョーラのレアル・マドリードやバルセロナは日本にもファンが多く、サッカー観戦するためにスペインに来る人も多いですよね。

レアル・マドリードはUEFAチャンピオンズリーグで最多優勝を誇り、スペイン代表はワールドカップ優勝1回、ユーロカップの優勝が3回の強豪国です。

ただスペインはサッカー以外のスポーツも盛んです。

バスケは特に人気で国内リーグは盛大な盛り上がりを見せ、代表チームはユーロカップなどの世界大会でも結果を出しています。

その他ハンドボールテニスまたシンクロナイズドスイミングなども盛んなんですよ。

 

スペインについてもっと知りたいという方はこちらの記事もぜひ見てみてくださいね。

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まとめ

スペインの文化について思いつく限り色々なことを紹介してきましたがいかがだったでしょうか。

イメージ通りなところもあれば意外なところもあったのではと思います。

スペイン文化を知ることでもっとスペインに興味を持ってもらえると嬉しいです。

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コメント

  1. Noelia より:

    Hola, me llamo Noelia y soy española. Me interesa mucho la cultura japonesa y buscando por internet encontré tu blog. He estado leyendo varias cosas que has publicado, y me encanta lo bien que describes España, incluso he descubierto cosas que yo tampoco sabía! Solo quiero agradecerte el interés que tienes por mi país y me siento afortunada de que hagas llegar tus vivencias a las personas japonesas. Ánimo y que seas muy feliz 😉

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