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アンダルシアはスペイン南部の州です。
グラナダ、セビリア、コルドバなどスペイン観光で人気の街が集中しているだけでなく、地中海沿岸のリゾート地としての一面もあります。
アンダルシア周遊だけでもどっぷりスペインを楽しめるくらい見どころが多く、何度も訪れてみたくなる独特の魅力があるんですよ。
ここではアンダルシアが一体どんなところなのか、その特徴や主要都市それにおすすめの観光地などを紹介していきます。
スペインらしさが溢れるアンダルシア地方の特徴
まずはスペインのアンダルシア地方の特徴やその文化について紹介していきます。
スペインは地域によってその特色や文化が微妙に違いますが、アンダルシア地方はその中でも特に個性的です。
それではそんなアンダルシアの魅力をあげていきましょう。
スペインらしさの象徴

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先ほどスペインは地域によってそれぞれ特色があると書きましたが、実は外国人が思うスペインのイメージとアンダルシアの特徴はイコールに近かったりします。
例えばフラメンコですがこれはアンダルシアのへレスやセビリアの辺りが起源とされています。
わたしがスペインに移住してきて最初に住んだのがアンダルシアで旦那もアンダルシア人です。
スペインに来る前“スペイン人にとってフラメンコはジプシーの文化で自分たちの文化とはあまり思っていない”と聞いたことが何度かあったのですが、少なくともアンダルシア地方ではそんなことはありませんでした。
スペイン3大祭りであるセビリアの春祭りの期間中はお祭りの広場に並ぶ屋台の中でフラメンコが流れみんながその音楽にあわせてフラメンコのダンスを踊ります。
そして女性や女の子はフラメンコの衣装で着飾って颯爽と町の中を歩き、男性も民族衣装を身にまとう人が多いです。
このセビリアの春祭りに似たお祭りは春から夏にかけてアンダルシアのありとあらゆる町や村で行われますが、フラメンコの衣装と音楽それに踊りがセットのようになっているんですよ。
そしてもう一つ闘牛についても、今行われているような闘牛のスタイルが生まれたのはアンダルシアのロンダだといわれています。
ロンダには今でも古く格式のある闘牛場が残っていて町のシンボルの1つになっています。
闘牛についてはスペイン内でも批判が高まっているのですが、アンダルシアでは中高年の方を中心に肯定派の人が多い印象です。
フラメンコや闘牛以外にもさんさんと照り付ける太陽や地中海のビーチ、ひまわり畑にオリーブの木とアンダルシアにはスペインらしいものがぎゅっと詰まっています。
イメージ通りのスペインに出会いたいならスペイン旅行でアンダルシア地方にも足を伸ばしてみてくださいね。
イスラム文化の影響が残る

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スペインのアンダルシア地方は古代ローマ帝国の時代から交通や貿易で重要な都市が多く置かれていた地域です。
そしてその後のアラブ支配時代にはアンダルシアが政治の中心地になりました。
コルドバ、グラナダ、セビリア等はスペインに置かれたアラブ王朝にとって極めて重要な街とされていたんですよ。
今でもグラナダのアルハンブラ宮殿やコルドバのメスキータまたアンダルシア地方に点在する白い村などイスラム文化の影響を色濃く残すものがいくつも残っています。
スペインはカトリックの国で各町に大聖堂や教会がありますが、カトリック文化とイスラム文化が町の中で融合しているのはスペインの中でもアンダルシア地方ならではの特色になります。
しかも2つの異なる文化の建築物が町の中に混在していても全くミスマッチな感じがしなく、お互いの魅力を高めながら共存しているところが何よりも素敵だなと感じます。
そしてこんな風景が残っているのはスペインの人たちや王様たちが敵に対してであってもその優れた文化や芸術に敬意を払っていたからにほかならないのではないでしょうか。
ひまわり畑が見られる

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アンダルシアというとひまわり畑も人気ですね。
アンダルシアでひまわりが見ごろを迎えるのは5月から6月で、春先の天気によって1か月ぐらい前後することもあるので丁度満開の状態を見られるかどうかは運次第というところでしょうか。
スペイン人は満開のひまわり畑を見ても特に何とも思わないらしいのですが、満開の時のひまわり畑は本当に圧巻です。
わたしはたまたま何度か丁度咲いている時にひまわり畑の横を車で通ったことがあるのですが、子ども達と一緒にめちゃくちゃテンションが上がりましたよ。
とにかく広くてものすごい数のひまわりの花が並んでいて、スケールが大きすぎるんですよね。
ひまわり畑が多いのはセビリア周辺とコルドバ周辺です。
道路沿いにあることがほとんどなのですが、セビリアだとタクシーの運転手さんに言うとひまわり畑まで連れて行ってもらえるようですよ。
白い村

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アンダルシアの白い村もスペイン観光のハイライトの一つです。
壁が真っ白に塗られた建物が並ぶ真っ白な村の景観は、アンダルシアの強い日差しの中で輝きを放っています。
白い村はアンダルシア中に点在していて、それぞれに違った魅力があるんですよ。
アラブ時代に要塞としてつくららたので、山の上や谷底などなんでこんなところにと目を疑うようなところにあるのも特徴です。
個人的にはアルコス・デ・ラ・フロンテッラとセテニルをおすすめしたいのですが、少し行きにくかったりします。
行きやすさで選ぶならマラガ近郊のミハスやフリヒリアナを推したいと思います。
フリヒリアナについてはこちらの記事で詳しく紹介しているので、もしよければチェックしてみてくださいね。

アンダルシアを構成する都市は?
アンダルシアは一つの州で、その中には8つの県があります。
ここではそれぞれの県やその県都の特徴や観光スポットをまとめていきます。
セビリア

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セビリアはアンダルシア州の州都で、人口や経済規模もアンダルシアのトップです。
セビリア市は歴史的な建物が残る旧市街、近代的な建物やオフィスが並ぶ新市街ともにアンダルシア最大の規模を持ちますよ。
海はないのですが街を流れるグアダルキビル川に港があり、昔から交易で重要な役割を果たしていました。
またセビリア県のコリア・デル・リオという町には江戸時代初期に支倉常長の使節団が流れ着き、この周辺には今でもこの使節団でスペインにとどまった人たちを祖先に持つ“ハポン(日本)”という苗字を持つ人たちがいるんですよ。
主な観光スポットに
・セビリアの大聖堂とヒラルダの塔
・スペイン広場
・アルカサル
・闘牛場
・トレ・デル・オロ
があります。
マラガ

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マラガはアンダルシアで2番目に大きい街で、リゾート地コスタ・デル・ソルを代表する場所でもあります。
近頃観光地として人気がメキメキ出てきているのですが、マラガの人たちはセビリアに並々ならぬ嫉妬心と対抗心を持っています。
マラガ出身の旦那曰くどんなに頑張っても歴史的にも文化的にも経済的にもセビリアに勝てない悔しさがそうさせているようです。
今でこそマラガはリゾート地として確固たる地位を築いているものの、もともとは漁師さんが住む小さな村だったようです。
本当に今の姿からは想像できないんですけどね。
マラガにあってセビリアにないのは国際空港です。
マラガの空港は日本からアンダルシア地方を旅行する時に一番便利な玄関口ですよ。
マラガの主な観光スポットは
・アルカサルとアルカサバ
・大聖堂
・マラゲータ・ビーチ
・パブロ・ピカソ美術館
等です。
マラガやマラガ空港についてはこちらで詳しく解説していますよ。


コルドバ

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コルドバはスペインを支配していたアラブ王朝の力が最も強かったときに中心地の役割を果たしていました。
その象徴が今でも街に残るメスキータですね。
グアダルキビル川のほとりに佇む町並みの美しさは必見ですよ。
コルドバの主な観光地は
・メスキータ
・ユダヤ人街
等です。
グラナダ

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グラナダはアラブ王朝がその最期を迎えた土地です。
丘の上に佇むアルハンブラ宮殿はあまりにも美しく、スペインで1位か2位を争う観光スポットになっています。
入場チケットが入手が困難で予約必須なので注意してくださいね。
そしてグラナダはいまでも町の所々にイスラム文化の名残をのこしていて、散歩するのが楽しい場所でもあります。
またタパスが有名で、グラナダのバルでは飲み物とタパスがセットになって出てくることで知られています。
アンダルシアの人たちはグラナダに行くとバル巡りを楽しみますよ。
グラナダの観光スポットは
・アルハンブラ宮殿
・アルバイシン
・大聖堂
等です。
ウェルバ
ウェルバはアンダルシアの一番西側、ポルトガルとの国境にある県です。
アンダルシアでもウェルバの海は地中海ではなく大西洋になるのですが、白い砂の広いビーチは地中海のビーチ以上の美しさがありますよ。
主な観光地は
・ドニャーナ国立公園
等になります。
ハエン

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ハエン県はアンダルシアの内陸部にありオリーブオイルの生産地として有名です。
県都のハエンはルネッサンス様式の大聖堂がランドマークの落ち着いた街です。
またハエン県内ではルネッサンス様式の町で世界遺産のウベダとバエサがありますよ。
ハエンの主な観光地は
・ハエンの大聖堂
・サンタ・カタリーナ城
などがあります。
カディス
カディス県は地中海と大西洋の境目がある県で、ヨーロッパの一番南にあたります。
アフリカ大陸のモロッコへのフェリーが出ていることでも知られていますよ。
県都はカディスなのですが一番人口が多いのはへレス・デ・ラ・フロンテッラで、Vino de Xerez(へレスのワイン)の生産地なんですよ。
へレスのワインと聞いても何のことかわからないかもしれませんが、シェリー酒のことなんです。
またアンダルシア種という馬の原産地でもあり、馬祭りという重要なお祭りも開かれます。
主な観光地は
・へレスの王立アンダルシア馬術学校
・へレスの大聖堂
等になります。
アルメリア
アルメリア県はアンダルシアの中でも一番知名度が低いかもしれませんね。
有名な観光地があまりなく、農業の中心地でビニールハウスがずらりと並んでいるので景観もいまいちだったりするんです。
でもアルメリアの海岸沿いの町はバカンスに人気です。
大きなプールがあり、さらに3食または2食込の宿泊プランがのある大型ホテルがファミリーを中心に人気を集めているんですね。
スペインは海をメインで楽しみたいという方は、アルメリアの沿岸部を選ぶのもありですよ。
名物料理は?

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アンダルシアは海が近いということもあり魚やシーフードなど海の幸を使った料理が楽しめます。
特にマラガの
・エスペト・デ・サルディナス(Espeto de sardinas:イワシの炭焼き)
・フリトゥラ・ミクスタ(Fritura mixta:いろんな魚とシーフードのミックスフライ)
・ガンバス・アル・ピル・ピル(Gambas al pil-pil:小エビのピルピル)
などが有名ですね。
またカディスではマグロ料理が有名です。
・アトゥン・エンセボジャド(Atún Encebollado:マグロとタマネギのソテー)
をメニューで見つけたら、絶対注文してくださいね。
マグロの身がホクホクで本当に美味しいんですよ。
またパエリアはバレンシアの郷土料理ではあるものの、アンダルシア地方でもよく食べられます。
魚介を使ったパエリアはごはんに出汁がたっぷりしみ込んでいて、たまらないおいしさです。
まとめ
わたしがアンダルシア大好きなので余計にそう思うのかもしれないのですが、スペインに来てアンダルシアに寄らないなんて絶対に損です。
グラナダやコルドバなどどこか1か所でもいいので、ぜひ足を伸ばしてみてくださいね。
例えセビリアの大都市でもどことなく田舎っぽいところがある、その飾らない雰囲気に親近感が湧くと思いますよ。
アンダルシアの都市の間は電車やバスで繋がっているので、周遊するのも簡単です。
ホテルやレストランも含めて物価が安いのもポイントですね。
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