スペインとフランスの国境に広がるピレネー山脈。
スペイン側のピレネー山脈には豊かな自然が広がる国立公園があるだけでなく、まるで中世からそこだけ時間が経っていないような美しい村がたくさん残っています。
そしてその中でも最も美しいといわれる村の一つがアルケサル(Alquézar)です。
今回はこのピレネーの秘境のような村について詳しく紹介していきますよ。
イスラム勢力の要塞として築かれた村
わたしがアルケサルに着いたのはピレネー山脈旅行の最後の締めくくりだったのですが、駐車場から村の全容を眺めた時に思わず言葉を失ってしまいました。
本当にそれくらい美しい村なんですよ。
そしてそれと同時に頭に浮かんだのがピレネー山脈にある他の村とずいぶん違うなという疑問だったんです。
ピレネー山脈の村は宿泊していたアインサを初めとして、どこも黒っぽい石を積み上げて作った建物が並んでいました。
でもアルケサルは村全体が赤みがかった薄い茶色をしています。
同じピレネー山脈の中世の村でなんでこんなに違うんだろうと思って調べてみるとすぐに答えが現れました。
このアルケサルはイスラム勢力が築いた村だったんですね。
だから他の周りにあるカトリック勢力の村とは雰囲気が全然違っているんです。
さながらアンダルシアにある白い村のアラゴン版といったところでしょうか。
一番の見どころは丘の上のお城
アルケサルは村全体が見どころといってもいいくらいどこを切り取っても様になるので、村の中の細くている組んだ道を歩いているだけでもかなり楽しいです。
アルケサルのようにイスラムの要塞としてつくられた村は敵からの侵入に備えてか迷路みたいな造りになっています。
わたしのように方向音痴の方は方向感覚が完全にやられてしまいますよ。
そしてアルケサルの中でも特に見逃せないのが村の一番高台にあるお城でしょう。
坂道が結構きついのですが頑張って登って行ってくださいね。
お城の1階部分の壁にはびっしりとフレスコ画が描かれています。
聖書を題材にしたものなので、アルケサルをイスラム勢力がカトリック勢力が奪還した後に描かれた物なんでしょうね。
消えかけている個所もあったのですがほとんどがきれいな状態で残っていましたよ。
そしてフレスコ画が残る1階部分は中央が回廊になってます。
回廊は最初中庭がかわいいなくらいにしか思っていなかったのですが、一部の柱にかなり凝った彫刻が施されていました。
ガイドブックをチラ見したところ珍しく価値の高いもののようでしたよ。
そしてこの回廊からつながる部屋に入るとそこは何と立派な祭壇のある礼拝堂でした。
実はわたしがピレネー山脈にいた期間はスペイン中が熱波に襲われていて、山の中にある子の村でも40度以上気温があったのですがこの礼拝堂の中は空気がひんやりとしていて気持ちよかったです。
本気でここから出たくなくなりました。
この祭壇の横手には司教さんの部屋があり、司教さんの衣装などが展示されていました。
その部屋の階段を上るとそこにも小さな部屋があり、この祭壇にある丸い窓は司教さんが礼拝堂内を見渡すためのものだったんだなということがわかりますよ。
こちらは回廊の2階部分です。
ここからの眺めがまたぜっけいでしたよ。
アルケサルがある場所はそんなに標高が660mとそんなに高いわけではないのですが、お城の上空を鷹が弧を描いて飛んでいたりしてその姿が本当に雄大でした。
こういうどこまでも非日常な景色を見られるのは旅行の醍醐味ですよね。
最後にこれはお城の外側にある昔の牢屋です。
いくら美しい村の中でも、あんなところに閉じ込められたらたまったものではないですね。
ピレネー山脈にあるもう一つの美しい村アインサとオルデサ国立公園についての記事もありますので、是非合わせてご参照くださいね。


まとめ
これまでスペインの色々な町や村に行きましたが、アルケサルはそのどことも違う独特の美しさがありました。
ピレネーにある秘境といってもいいのではと思います。
ピレネー山脈の旅は最初から最後まで感動しっぱなしだったのですが、アルケサルはその締めくくりにぴったりだったと思います。
まだまだ見どころが沢山あるピレネー山脈はまた絶対に訪れてみたいです。
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