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スペインはカトリックの国ということもありクリスマスは1年で一番大切な日です。
イルミネーションに包まれたり移動遊園地が登場したりと町全体がウキウキした雰囲気に包まれますよ。
ただスペインのクリスマスは日本でいうクリスマスのイメージとは大分違って、サンタさんも来なければましてやカップルがデートする日でもないんですね。
スペインの文化に興味のある方はスペインに人たちがこの1年で一番神聖な日をどう過ごしているのか気になるのではないでしょうか。
ここではスペインのクリスマスについて徹底的に解説していきますよ。
スペインのクリスマスの過ごし方
スペイン語でクリスマスはNavidad(ナビダッ)、クリスマスイブはNochebuena(ノチェブエナ:いい夜という意味)といいます。
スペインのクリスマスで一番重要なのはこのノチェブエナの夕食です。
この夕食には家族全員が集合するのが習慣で、実家から離れて暮らしている人もみんな何が何でも実家に帰っていきます。
スペインでクリスマスイブは休日ではないのですが、多くの会社が午前中で業務終了になります。
そしてスペインの夕食の時間である9時頃までに家族が実家に集合し、みんなでおしゃべりを楽しみながら豪華な夕食をそれこそ日付が変わるまで食べ続けることになります。
スペインでは年配の方はもちろん若い人たちもこのノチェブエナの一家での団欒を本当に大切にしているんですよ。
スペインでクリスマスというとこの夕食のことをさすと言ってもいいです。
ノチェブエナの夕食が日にちをまたいで続くのでクリスマスの日はみんな昼頃まで寝ています。
12月25日はショップもレストランもほとんど全部閉まっていて、有名な観光地も休館になることが多いですよ。
奥さんと旦那さんどっちの実家優先?
もしかしたら“結婚して子供がいたらどっちの実家に行くの?”と思った人もいるかもしれません。
実はスペインの人たちの間ではこれは結構問題で、どっちに行くか毎年のようにもめているカップルも珍しくなかったりします。
旦那の家族の場合もしノチェ・ブエナに旦那の兄弟家族が集まると、もう一つ大切な夕食がある大晦日はそれぞれパートナーの実家で過ごすというように決めていて、ノチェ・ブエナと大晦日どちらに集まるかを隔年で入れ替えています。
わたしはこのシフトから外れて毎年ノチェ・ブエナも大晦日も義理母の家に行かないといけないことになるのですが、この時期ばっかりは仕方ないと諦めていますよ。
スペインにはサンタさんが来ない
そしてみんなで大いに盛り上がった次の朝はクリスマス本番になりますが、実はスペインでは伝統的にはこの日にサンタさんがプレゼントを届けてくれることはないんです。
というか今では海外のテレビ番組でスペインでも子供たちはみんなサンタさんの存在を知っているものの、もともとスペインにはサンタさんはいませんでした。
うちの場合はサンタさんは日本から来ることになっているんですが、スペインではクリスマスにはプレゼントなしという家庭の方もまだまだ多いです。
じゃあ子どもたちがプレゼントをもらえる日はないのかと思ったかもしれませんが、実はプレゼントはちゃんと他の日にやって来るんですよ。
これについては後で詳しく触れていきたいと思います。
スペインのクリスマスイブに食べる料理は?
スペインではクリスマスイブに当たるノチェブエナに家族で夕食を食べると書きましたが、一体何を食べるのか気になる方もいるのではないでしょうか。
ここではうちの義理母の家で出るクリスマス料理を紹介していきます。
スペインでも地域によって食べるものが変わるかもしれないので、あくまでマラガでよく食べられるクリスマス料理の参考にしていただければと思います。
①オードブルとして茹でたエビやカニそれに生ハムやチーズをつまむ
②小エビのピルピル(Gambas al Pil Pil)やサラダなどが出てくる(スープが出る家庭もある)
③メインが登場 ブタひれ肉の中に細かく切った茹で卵やハムをつめて焼いたもの(魚のこともありますが肉料理が多いです)
④デザート
⑤ケーキやお菓子
こんな感じで次から次に料理が出て来て、もうお腹に何も入らないという限界まで食べ続けます。
注目なのはデザートの後にまだケーキやお菓子を食べるというところです。
デザートは軽めのムース等で済ませて、それからソファーに移動してケーキやお菓子をつまむというのがうちの義理実家のスタイルになっていますよ。
お菓子はチョコレートとスペインのクリスマスを代表するトゥロン(Turron)というお菓子がメインになります。
クリスマスの飾りつけは?
日本でクリスマスの飾りつけというとクリスマスツリーですよね。
でもスペインのクリスマスの飾りはベレン(Belen)という小さな人形なんです。
ベレンで表現するのは聖書の中のワンシーンで、イエス・キリストが生まれた場面や東方の三賢者がやってきた場面などがよく再現されます。
家の棚の上に少し飾る人から毎年ものすごく大掛かりなベレンをつくる人まで様々ですが、大聖堂や教会等にもクリスマスの期間限定で飾られることもありますよ。
ベレンは人物や建物などのパーツを別々に購入してイメージ通りになるよう飾っていかないといけないので、聖書のストーリーや聖書の中に登場する人達にある程度詳しくないとなかなか難しいんですよね。
わたしはクリスマスツリーを飾ってベレンは飾ったことがないのですが、いつか挑戦したいなと思っています。
プレゼントがやってくるのは1月6日

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さて先ほどスペインにはクリスマスとはクリスマスとは別に子どもたちにプレゼントが届く日があると書きました。
その日は1月6日でレジェス・マゴスの日(Dia de los Reyes)です。
この日はスペインの子供たちが1年で一番楽しみにしている日で、冬休みの最後の日でもあります。
プレゼントを届けてくれるのはレジェス・マゴス(東方の三賢者)です。
レジェス・マゴスはメルチョ―ル(Melchor)、ガスパル(Gaspar)、バルタサル(Baltasar)の3人で、それぞれラクダに乗ってやって来ることになっているんですよ。
レジェス・マゴスの日についてはこちらの記事で詳しく紹介していますのでよかったら見てみてくださいね。

スペインの年末年始はどんな感じなの?
クリスマスに関連付けてスペインに年末年始はどんな感じなのかにも触れておきたいと思います。
スペイン語で大晦日はNochevieja(ノチェビエハ:古い夜の意味)、元旦はAño Nuevo(アニョ・ヌエボ:新年の意味)といいますよ。
まず大晦日なのですがクリスマスイブのように家族で夕食を食べることが多いです。
ただ若い人たちは特に家族での夕食後みんなで集まってカウントダウンイベントに出かけることもあります。
スペインの年越しカウントダウンは午前0時の鐘に合わせて12個のブドウを食べます。
テレビではマドリードのプエルタ・デル・ソルにあるマドリード州政府の庁舎にある時計台が映し出されその鐘の音とともにブドウを口に放り込んでいくのですが、大きな町だと同じような年越しイベントを町の中心部で行っているところもあります。
クリスマスイブよりもパーティー気分の高まる日なんですね。
1月1日は祝日ですがこの日は大晦日の疲れを癒すため、家でゆっくりする日になります。
子どもはともかく大人は1月2日から仕事なので、元旦にのんびりして次の日に備えるんですよ。
まとめ
スペインのクリスマスは家族が集まり食事を囲んで団欒する日です。
賑やかでいつもにもまして陽気な雰囲気で、楽しく夜が更けていきますよ。
サンタさんが来ないというのに始めショックを受けたのですが、年々テレビや町の装飾などでサンタさんの存在感が増してきてるのでちょっと嬉しいです。
スペインでは12月24日から1月6日まではイベントが目白押しな楽しい時期ですよ。
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