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わたしはスペインで現在7歳と4歳の子供を育てているのですが、スペインって正直子育てしやすいなと思うことが多いです。
最初はそんなことあまり意識していなかったのですが、当時まだ1歳ちょっとだった上の子を連れて日本に里帰りした時にそれを実感しました。
スペインに住んでいると“何なんだこの国!?”とイラつくこともよくあるのですが、子育てに関してはスペインでできて本当に良かったなと思っています。
スペインには児童手当も無ければ育休は4か月しかとることはできません。
制度的には日本の方が恵まれているのは確かなのですが、子どもと一緒に日常生活を送るうえでのストレスは圧倒的にスペインの方が小さいです。
ここではスペインで出産し子育て真っ最中のわたしが、スペインはなぜ子育てしやすいのかその秘密を紹介していきますよ。
スペインの人は子供好きで寛容

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まずスペインの人って老若男女ほぼ例外なく子供好きです。
そして赤ちゃんや小さな子供さらに子供連れの家族にめちゃくちゃ寛容です。
バスや電車それにバルやカフェでちょっとくらい子供が泣いていても歩き回っていても、それを見てイライラする人が少ないんですよね。
それどころか近くにいるおじさん・おばさんが一緒に赤ちゃんをあやしてくれたりすることもめずらしくありません。
去年引っ越しのドタバタで子供たちをバスで学校に送っていかないといけなかったのですが、息子の同級生のちょっとやんちゃな男の子とよくバスで一緒になっていました。
その男の子はバスの中で大声で叫んだり椅子を蹴ったりと通学に付き添っているおじいちゃんをかなり困らせていたのですが、バスで一緒に乗り合わせた人はその子に話しかけていたずらから気をそらせたりおじいちゃんに“大変だね~”と話しかけたりしてものすごく協力的だったのが印象的でした。
流石に高級レストランや美術館で子供が走り回っているのはこっちでもNGですが、日常的に利用する空間に子供がいることや子供は大人のようにはなかなか振舞えないということが受け入れられています。
なので赤ちゃん連れでもバルで食事したり旅行したり、スペインでは赤ちゃんや子連れの家族がとてもアクティブに日々を楽しんでいます。
赤ちゃんがいてもある程度したいことができるというのは、子育て中の閉そく感やストレスを大分減らしてくれますよ。
ベビーカーを邪魔という人はまずいない

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ネットで日本のニュースや情報をみていると、よく“人込みでベビーカーが邪魔だった”や“満員電車でベビーカーは迷惑”という意見を目にします。
ネットでこんな意見を見た時は正直こんなこと考える人はごく一部なんだろうと思っていました。
でも日本に里帰りした時に母親や同時期に出産した友達が街中や駅でベビーカーを押している時に周りの人に“すみません”と言いながら歩いているのを見て衝撃でした。
そして駅でエレベーターに乗った時に周りの人に舌打ちされてさらに衝撃を受けました。
スペインではベビーカーを邪魔なんて思う人はまずいないし、人が多いところにもみんな当たり前のようにベビーカーで出かけていきます。
バスでも電車でもベビーカーを持っていて周りの人に助けられたことはあっても舌打ちされることなんてありませんでした。
そもそもこの世の中には20代以降の大人だけが生活しているわけではありません。
赤ちゃんや小さい子供それに妊婦さんにお年寄りなど色んな人がいて当たり前で、みんなが自由に好きな場所に出かけたり公共の交通機関を利用して当たり前ですよね。
それなのに自分がちょっと窮屈だったからやエレベーターを長く待たなかったからといってそれを迷惑扱いするのはちょっと不寛容なんじゃないかなともやもやした気持ちになってしまいます。
子供と親は別人格

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うちの長女が小さい時非常に気難しくて、何か気に入らないことがあると道端であろうがスーパーであろうがお構いなしに癇癪を起こす子でした。
一度怒り出すと何を言っても無駄で手を付けられないので、その場で困り果ててしまったことも数えきれないくらいあります。
日本でこういう場面を目にした時“親のしつけがなってない”と考える人って多くないですか?
でもスペインの人はそんなことないんです。
こういう場合たまたま通りかかった人やその様子を見ていた人に言われることが多かったのが、“あら、その子神経質なのね~”や“(娘に)そんなに泣いちゃだめよ~”などでした。
娘が癇癪を起して泣いているからといって母親のわたしが責められるということが皆無だったんですよね。
スペインでは例え赤ちゃんであっても親と子は別人格ととらえられています。
赤ちゃんが泣くのはママの責任ではなく、赤ちゃんが泣きたいからなんですね。
この考え方は赤ちゃんのお世話に悩まされるママを大分楽にしてくれると思いますよ。
実家と義実家は頼って当たり前

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スペインの子育てにおいて、実家や義実家の両親は頼りたい時に頼りたいだけ頼っていい存在です。
さらに兄弟やいとこくらいまではごく普通に動員されます。
産後4か月から仕事に復帰することになるので手助けが必要なのは当たり前で、おじいちゃんおばあちゃんも孫の面倒を見るのが当たり前と思って頑張っています。
実家に子育てを頼ってもパラサイト育児など悪く言われることがないので、仕事に家事に子育てに忙しいパパやママもちょっと息抜きしやすいんですね。
職場で妊娠・出産・子育て中に受けられる制度は使って当たり前

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スペインには産休や4か月の育休に子供が7歳になるまでの時短勤務といった子育て支援の制度があります。
さらにパパにも産後1か月くらいの育休が取得できます。
しかもスペインの育休ではママ向けのものもパパ向けのものもお給料が満額支給されるようになっているんですよ。
そしてパパもママも使える制度は全て利用するのが当たり前で、それに文句を言うような職場はありません。
“制度はあるけど、職場の雰囲気で使うと言い出せない”というようなことがないんですね。
主人の職場の女性がみんなほぼ同時に妊娠した時、主人をはじめとした男性陣に相当なしわ寄せがきて大変そうでした。
主人もさすがに疲れたと愚痴っていたのですが、それは妊娠した同僚に対してではなく早くヘルプを雇わない上司に対してでした。
法律や社内規定で定められている労働者の権利は使って当たり前という考え方は、子どもがいる女性が安定してキャリアを積んでいくのをサポートしてくれますね。
まとめ
もちろん日本にも子供好きで子連れで困っている人がいれば自然に手を差し伸べる人もいっぱいいるとは思います。
でも実生活の中で子供がいるからと言って窮屈な思いをすることが少ない点で、スペインは伸び伸び子育てできるなと日々実感しています。
そういうわたしも体調が悪い時など周りで子供に騒がれたりするとイラっとしてしまうこともあるのですが、そのたびにスペインの人のようにもっとのんびり寛容に構えることができるようにならないとなと反省していますよ。
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