
Tumisu / Pixabay
スペインに旅行したり留学したりしていて風邪を引いたりすることもあると思います。
手持ちの薬を飲んで休んでいたら何とかなるくらいの体調不良だといいのですが、高熱が出たり食中毒みたいな症状が出るとさすがに病院に行く必要がありますよね。
でもスペインの病院制度は日本のそれとはかなり違うので、病院に行くと戸惑うことも多いです。
そこでここではスペイン旅行や留学それにワーホリなどを考えている方のために、スペインの病院や薬局の利用方法を説明していきますよ。
スペインの病院の利用方法

DarkoStojanovic / Pixabay
スペインで風邪を引いてしまったという場合、まず皆さんはいきなり病院には行かず手持ちの薬を飲んで寝て治そうとするのではないでしょうか。
でもそれでも悪化していったり、お腹の調子が著しく悪くなったりした場合は流石に病院に行かないと危険ですよね。
スペインの病院は待ち時間が長いといった問題はあるものの、お医者さん・看護師さん共に海外で活躍するひとが多いくらい優秀です。
わたしは持病の関係でよく病院にかかるのですがこれまで日本のお医者さんと比べて頼りないなと思ったことはほとんどなく、子供が救急にかかった時の対応にも信頼がおけます。
なので本当に必要な時は安心して病院に行ってくださいね。
それでは旅行者や留学やワーホリでの滞在者がスペインの病院を利用する時の手順を見ていきましょう。
海外旅行保険会社に電話する
まずはいきなりその辺りにある病院に駆け込むのではなく、自分が日本でかけてきた海外旅行保険会社に電話をしましょう。
海外旅行保険会社は緊急の時に24時間受け付けてくれる電話番号を持っていますよね。
というのもスペインにはスペインもしくは欧州の社会保険に加入している人が無料で利用できる公立の病院と民間の保険に加入している人が利用できる私立病院があり、海外旅行保険を受け付けてくれるのは私立病院になることが多いんです。
なので海外旅行保険の会社に電話して滞在先の近辺にある病院の中でどの病院に行くべきなのかまずしっかり確認しましょう。
またこの時に余裕があれば払い戻しの申請に必要な書類なども確認しておいてくださいね。
病院の救急の受付へ
スペインの病院制度では急な体調不良の場合は救急に行くことになっています。
日本で救急というと相当重症な人だけが行けるイメージですが、スペインでは“熱が出た”や“足をひねった”みたいな理由でもすぐお医者さんに診てもらいたい時は救急を利用しますよ。
救急は病院の他の科のある病棟とは別の入り口が設けられていることがほとんどです。
救急の入り口には大きく“URGENCIAS(ウルヘンシアス)”と書かれているのですぐにわかるはずですよ。
ちなみに病院は“HOSPITAL(オスピタル)”です。
救急の入り口を入ったらすぐ受付があるので、そこで海外旅行保険の保険証を見せて受付してもらいましょう。
スペインの救急ではまずこの受付で大まかな病状を聞かれることが多いので、スペイン語か英語で説明・もしくは紙に書いて見せる等できるように簡単な準備をしておいてくださいね。
待合室で待つ
受付を終えたら待合室で待ちましょう。
大きい病院だと大人用の待合室と小児科用の待合室が別れています。
お子さんを診てもらう場合は待合室がすぐそこに見えていたとしても、受付けでどこに行くべきか確認してくださいね。
いきなりお医者さんの診察に入る前に看護師さんの診察をはさむ病院もあります。
看護師さんの問診を行う病院の場合病状を詳しく聞かれたり熱を測られたりした後一度診察室を出て、お医者さんに呼ばれるまでまた待合室でしばらく待つことになります。
私立の病院は公立の病院ほどひどくはないと思うのですが、受付から診察までの待ち時間がかなり長くなる可能性もあります。
体調が悪いと辛いと思うのですが、根気よく待ちましょう。
名前を呼ばれたら診察室へ
名前を呼ばれたら診察室に入りましょう。
大きい病院だと診察室がいくつもあり、名前とともに部屋番号も言われるのでここは頑張って聞いてください。
聞き取れなかった場合はとりあえず直前に他の患者さんが出てきた部屋に行ってみてください。
違っていてもどこに行くべきか教えてくれるはずです。
ここではお医者さんに詳しく病状を伝えないといけませんが、私立の病院だと英語を話すお医者さんも多いはずです。
電子辞書やスマホの翻訳アプリ等を利用するとコミュニケーションがとりやすいですね。
また診察が一通り終わるとその後の対処法がかかれた紙と必要があれば処方箋をもらえるので、後からゆっくり読み直すことも可能です。
処方箋はメモ帳のようなものに薬の名前を手書きして、そこのお医者さんのサインをしただけのものを渡されることもあります。
ただのメモに見えてもそれがないと薬局で薬を買うことができないので必ず大事に持ち帰るようにしてくださいね。
受け付けに戻ってお会計
海外旅行保険会社が直接支払いできる提携をしている病院の場合は大丈夫なのですが、そうでないと一旦自分で会計してから後日保険会社に払い戻しの申請をすることになります。
自分でいったん支払う場合は診察が終わった後になることが多く、保険証書も受付で預かりになっているでしょう。
診察が終わったらすぐにまた受付まで行き、支払いや必要書類へのサインなどを済ませるようにしてください。
手持ちのお金があまりなかったとしてもスペインの市立病院ではほぼ間違いなくクレジットカード払いができるので慌てる必要はないですよ。
この時にもらう領収書は保険会社に払い戻しを請求する時に絶対に必要になるのでしっかり保管しておいてくださいね。
もしタクシーでホテルまで戻りたい場合は受付で頼むと呼んでくれるはずですよ。
スペインの薬局の利用方法

OpenClipart-Vectors / Pixabay
処方箋をもらった場合は薬局に行って薬を買いましょう。
スペインは公立の病院から発行される処方箋があると薬が大幅に値引きされるのですが、私立の病院の処方箋だと全額負担になってしまいます。
ただ病院で処方された場合は薬代も海外旅行保険会社が補償してくれることがほとんどなので、薬局の領収書と処方箋もしっかり保管しておきたいです。
薬局でもクレジットカードで支払いOKですよ。
スペインの薬局の特徴
スペインの薬局は“Farmacia(ファルマシア)”で緑の十字架の電光看板を掲げています。
繁華街にも住宅街にも点在しているので見つけるのに苦労はしないはずです。
スペインで薬はこの緑の看板のファルマシア以外では販売することができないので、薬が必要な時は必ずファルマシアに行くようにしてくださいね。
薬局の営業時間と時間外での対応について
スペインの薬局の営業時間はお店によっても変わるのですが、基本的には9時から14時までと17時から21時までのところが多いです。
でも救急にかかる時間てこの営業時間外になることも多いですよね。
そんな場合は年中無休で24時間営業しているところや、9時から21時まで12時間休みなしで営業しているところを探しましょう。
グーグルマップなどで“farmacia 24h”と検索すると見つかると思いますし、病院からタクシーで変える場合はついでに寄ってもらうといいですよ。
もし近くに24時間営業の薬局がない地域だと、その地域の薬局が週交代で時間外の患者さんに対応しないといけないように取り決められています。
時間外対応をしている薬局は一見御店が閉まっているように見えても緑色の十字架に明かりがともったままになっています。
入口のところのインターホンを押すと中に待機している薬剤師さんが応答してくれます。
大体が夜間受付用の小窓からのやり取りになるのですが顔が見えないこともありますが、とにかく小窓や隙間から処方箋を渡すようにしてくださいね。
スペインでは処方箋なしでも薬が買えるのか?
スペインでは処方箋なしでも薬が買えるのかどうかも気になるのではと思います。
答えはどうなのかというと、風邪薬や頭痛薬くらいなら処方箋なしでも薬局買うことができます。
つい最近までほとんどの薬が処方箋なしでも購入できたのですが、ルールが変更されて処方箋がないと風邪薬や頭痛薬くらいしか買えなくなってしまったんですよね。
子供用の咳の薬など使用頻度が高めのものも処方箋がないと買えないのでちょっと不便になってしまいました。
もし持病がある方でその薬はスペインでも買えると日本で聞いていた場合でも、現在は処方箋なしでは買えない確率が高いです。
多めに日本から持って来ておくか、緊急でどうしても必要になった場合は先に病院に行って処方箋を書いてもらわないといけなくなるので気を付けてくださいね。
まとめ
スペインの公立病院は無料だと聞いて海外旅行保険をかけなくていいかなと考えている方もいるかもしれませんが、無料で対応してくれるのはスペインの保険証をもっている場合だけです。
スペインの保険証は州によっては所得税を納めていなくてもそこに住んでいるだけで発行してもらえたりもするのですが、学生ビザやワーホリビザだと対象外です。
公立病院も昔は無保険でも無料で受け入れてくれるといった場合もあったようですが、現在はどんどん運用が厳しくなってきています。
前述したように薬も処方箋がないと買えなくなってしまったので、スペインに長期滞在する場合は必ず海外旅行保険や留学保険などをかけてくるようにしてくださいね。
コメント