スペインの新型コロナウイルス情報②3月上旬はマドリードの感染拡大が深刻な状況に(3月9日更新)

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3月9日更新

スペインの新型コロナウイルスの感染・被害状況がますます深刻になってきています。

首都マドリードでの深刻な感染拡大と、3月3日の夜になって2月13日にバレンシアで肺炎で亡くなった男性が実は新型コロナウイルスに感染していたと発表があり、スペインの人たちの間で動揺が広がっています。

これまで2月11日2月27日にもスペインのコロナウイルスの発生状況を記事にしているのですが、この頃から大きく状況が変化しているので3月上旬の現地での状況を書いておきたいと思います。

卒業旅行シーズンでもありスペインへの旅行を計画されている方も少なからずいると思うのですが、今現在スペインでは日に日に感染者が増えている状態なので最新情報をチェックして十分に注意するようにしてくださいね。

首都マドリードでの感染拡大が深刻に

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スペインでもコロナウイルスの感染者がどんどん増えていて、この記事を書いている時点でとうとう1,000人を超えてしまいました(3月9日現在)。

感染者の増加ペースは上がってきていたのですが、この週末にほぼ倍増したような感じになってしまっています。

そして現在一番感染者が多く増え方が激しいのはなんと首都のマドリードなんです。

さらに葬儀で集団感染が発生したバスク地方で一気に感染者数が爆発的に増えてしまっています。

今現在60人弱の感染者が出ているのですが、これは他の州と比べても4倍以上多かったりします。

しかもスペインの州は大体いくつかの件が集まっているのに対し、マドリードはマドリード県1つでこの数字なのでどれだけ感染が集中しているのかわかっていただけるのではないでしょうか。

大きな国際空港がありさらに経済や文化それに観光の中心地でもあって人の出入りが多いマドリードでまず感染が広がるというのはなんとなく理解できますね。

マドリードでは学校の先生や大学の職員も感染

マドリードでは昨日小学校の60代の先生がコロナウイルスに感染したことがわかり、さらに今日は大学の職員が感染したこともわかりました。

たくさんの子供や学生と接触があったであろうこの2人の感染のニュースは衝撃をもって伝えられ、子供を持つ親たちの間に一層の不安が広がっています。

またイタリアに渡航して感染した父親の4歳の子供まで感染したというニュースもあります。

わたしはマドリードの近郊で暮していて子供2人も学校に行っているので、小さい子供や学校の先生の感染ニュースは本当に怖いです。

さらにマドリードに隣接するカスティーリャ=ラ・マンチャ州の学校でも子供2人が新型コロナウイルスに感染していたと速報が入り、これまで通り学校に行かせていて大丈夫なのか気が気じゃありません。

またスペイン国王の娘が通う学校にも新型コロナウイルスの感染者が発生したのですが、国王は娘たちは変わらず学校に登校すると発表しています。

スペインではコロナウイルスは子供に感染したり重症化したりしにくいというデータから、子供の感染について学校も親もなんとなく楽観的な空気がありました。

でも学校での感染のニュースが増えるとこの雰囲気も変わってくるものと思われます。

3月に入ってからバレンシアで2月13日に肺炎で亡くなった方がコロナウイルスに感染していたことが分かる

3月3日の夜にスペインのコロナウイルス関係のニュースの中でも一際衝撃的な内容が伝えられました。

なんと2月13日にバレンシアで肺炎で亡くなった方が、実はコロナウイルスに感染していたと州政府が発表したんです。

2月13日というとイタリアでコロナウイルスの感染者が急増して欧州全体にウイルスに対する緊張感が高まるより1週間以上も前になります。

スペインでは2月13日時点ではまだ新型コロナウイルスの検査を受けられるのが、中国に滞在歴があるなど厳しい条件をクリアした人だけだったようです。

2月下旬から感染が広がったことで検査条件の緩和がなされて、スペイン政府は過去の肺炎のケースも積極的に調査していました。

そんな中バレンシアでこの男性のケースが発覚したようですね。

この男性は新型コロナウイルスを発症する前にアジア方面に渡航していたようですが、滞在先はネパールでまだ感染が確認されていない地域です。

なので一体どこで感染したのかについてはまだはっきりわかっていません。

というか2月13日に犠牲者が出ていたということは、イタリアで騒ぎになるずっと前からスペイン国内に既に新型コロナウイルスに感染していた人が一定数いたということになります。

検査していなかったからわかっていなかっただけで実は相当前から新型コロナウイルスはすぐそこにあったということになり、そんな中何も知らずに普通に生活していたと思うと背筋が凍る思いです。

3月9日現在スペインの新型コロナウイルスでの死者は26人とこちらも急激に増えてきています。

なかなか対策をとらないスペイン政府にイライラが募る

スペイン国内のしかも首都のマドリードで新型コロナの感染が広がる中、なかなか感染拡大の対策を発表しないスペイン政府に住民のイライラが募っています。

3月3日にやっとバレンシアなど感染が広がっている地域のスポーツの試合は観客無しで行うと決定されたのですが、なぜかレアルマドリードの試合がその対象に入っていません。

感染地域を即座に封鎖してスポーツ観戦も制限したイタリア政府の迅速な対応と比べると、どうもスペイン政府の動きが遅いんですよね。

感染者の90%以上がイタリアなどから輸入されて感染源が分かっている人たちなので、市中で爆発的に感染が広がっているリスクは少ないとの政府の見解が出されています。

割合的には少ないかもしれませんがセビリアとマドリードで感染源不明の患者さんが出ている中で、そんなこと言っていて本当に大丈夫なの?とますます不安になってきます。

実際スペイン人の中にも政府の対応がぬるいと感じている人も多いようで、新聞のニュースサイトのコメント欄には結構否定的な意見も並んでいたりします。

まさか観光業への打撃を恐れて見てみないふりをしているのではというような疑念まで出てきているようなのですが、一体どうなのでしょうか。

ここから更新分

3月4日時点では上のような状況だったのですが、ここにきてスペイン政府の危機感が一気に上がってきています。

マドリード県で老人施設での集団感染が2件発生しバスク地方の感染者がうなぎ登りになっていることから、この2つの地域へこれまでより厳しい政策を打ち出す予定と発表されました。

この発表に先駆けてバスク州政府が感染者が特に多い町の学校を15日間閉鎖すると発表しています。

もしかしたらマドリードのいくつかの地域でも同じような措置が取られるのかもしれません。

スペインの人たちの生活の様子

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日本やアメリカそれに欧州の国でトイレットペーパーなどが買い占められてスーパーの棚が空になっているというニュースを見ました。

スペインの現状はどうかというと、買いだめする人も出て来てスーパーの品物の数がいつもより少ないものの、大方の商品は品切れにまではなっていません。

先週スーパーから姿を消した手の消毒ジェルも、昨日カルフールをチェックしに行ったら一部のメーカーのものが復活していました。

2つ買って、1つは小学生の子供に持たしています。

また今朝近所のメルカドーナに行ったのですが、水や牛乳などの数がいつもより少なかったものの売り切れている商品はなかったです。

でもいつもよりかなりお客さんの数が少なくて閑散としていました・・・。

感染が広がって出歩く人が減っているんでしょうね。

特に大型のスーパーって結構な密閉空間だったりもすので行くのをためらう気持ちもわかりますし、わたしも多めに買っておいたストックがなくなるまであまり行かないようにしようと思っています。

また街を歩いている人の数も少なくて、いつも子供がたくさん遊んでいる公園もガラガラです。

スペインで言われている新型コロナウイルスの予防法

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スペインでは新型コロナウイルスの感染予防に何より効果的なのは手洗いだと言われています。

人混みに行った後は手で口や鼻それに顔を触る前に手洗いするようにすると、ウイルスが体に入るのを防げるということなんですね。

日本でも感染予防での手洗いの大切さはずっといわれていますよね。

またマスクは患者さんと近くで接する医療関係者や感染している人がつけると効果があるものの、感染していない人がつける必要はあまりないとされています。

といってもどこの薬局に行ってもマスクは完全に売り切れ状態で、いつ入ってくるのかもわからないと言われるんですけどね。

スペインのニュースで病院に入っていく人がマスクをしている映像は流れるのですが、実生活では街の中でマスクをつけている人を見たことは今のところ1回もありません。

ただスーパーでハンドドープの棚はスカスカになっているのと手の消毒のジェルが品薄になっているので、みなさん手洗いによって感染予防しようとしているようですね。

まとめ

日本の北海道、イタリアの北部、スペインのマドリードなど、寒いところで特にコロナウイルスが流行っているような気がしますね。

今不安なのは今暮しているマドリード県で感染が広がっていて、しかも隣町のトレホン・デ・アルドスに感染者が多いにもかかわらず学校も仕事も完全に通常運転なところです。

イタリアのように多少の移動制限やテレワーク推奨などを打ち出して感染拡大を防いでほしいと思うものの、スペイン政府にはその気はまだなさそうなのが気になっています。

これからますますスペインでの新型コロナウイルスの状況を注視していきたいなと思っています。

これからスペイン旅行を考えている方も、スペインでもおそらくどこにコロナウイルスがあってもおかしくない状況になっていると思うので本当に注意してくださいね。

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