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7月23日スペインで1日の新型コロナウイルス新規感染者が971人になり、続く24日も922人の要請が確認されています。
7月22日の730人からいきなり200人以上増えたことでスペインの人たちの間に再び衝撃が走っています。
緊急事態宣言が解除されて6月から7月中旬くらいまでは1日の感染者が200人以下なことがほとんどで、マスクやソーシャルディスタンスの徹底で上手くコロナと共存できるかもとスペインの人たちの緊張感が和らいできた矢先のこの第2波到来の兆しはやはりキツいです。
ここではスペインの7月下旬現在の新型コロナウイルス関連状況をまとめていきたいと思います。
7月下旬スペインで新型コロナウイルス感染再拡大

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まずは緊急事態宣言解除から現在までの間でスペインでどのように新型コロナウイルスの感染が再拡大していったのかをまとめていきます。
緊急事態宣言解除後のクラスターの発生件数は200件以上
緊急事態宣言後スペイン政府はクラスターをコントロールすることで感染拡大を食い止める作戦をとっていました。
陽性になった人と接触した人を徹底的に洗い出して検査して感染者をあぶりだしていっていたんですよね。
スペインではまだフランスやドイツのように希望者全員に検査ができるほど検査体制のキャパはないものの、必要場所では惜しみなく検査できるような体制にはなっていたんです。
最初はこの作戦も機能していたようなのですが、なにせ6月21日の緊急事態宣言解除から7月24日までに発生したクラスターの数は200以上。
それでも早期に察知できたクラスターは何とか抑えていたものの、カタルーニャのリェイダでクラスターが多発したりとだんだん抑え込むのが難しくなってきたようです。
クラスターの大部分は家族での集まりによるもの
ヨーロッパのクラスターだとドイツの西部ノルトライン・ウェストファーレン州で600人以上が陽性になった食肉工場でのクラスターが日本でも大きく報じられました。
スペインでも工場や農場での季節労働者それにマラガでの赤十字センターでのクラスターが目立っていたのですが、これまでの実態は家族間でのクラスターが40%以上の割合を占めているようです。
3月から6月下旬までのロックダウンでスペインの人は3か月以上実家の両親や兄弟と会えなかったわけですが、これって日常的に実家の両親や兄弟それにいとこと絶え間なく交流しているスペイン人にとっては相当きついことなんですよね。
さらに7月のバカンス期に都会から実家に休暇がてら帰省する人も多く、そうすると親戚一同集まることになりその会合がきっかけで家族内クラスターというケースが多発したようです。
スペインの人たちの性質からして起こるべきして起こったようなところもあるのですが、バレアレス諸島ではここにきて帰省した家族との会合にかなり強い調子で警告がされています。
バルセロナが再びロックダウン
バルセロナがあるカタルーニャ州のリェイダでクラスターが多発し、カタルーニャ州政府がこの地域に外出禁止令を出すという事態になりました。
州政府はこのクラスターを抑えきることができず、その後バルセロナを含むカタルーニャ州の広範囲に外出禁止令が拡大しています。
実際現在の新規感染者の中でカタルーニャ州の割合がかなり高くなっています。
外出禁止令だけでなく飲食店のお客さんを定員の50%に制限したり10人以上のグループで集まるのを禁止したりしているものの、国が行うロックダウンと違い強制力がありません。
そのため外出禁止令下でも週末にビーチに人が集まったりと、その効果が疑問視されています。
現地の人たちの様子

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緊急事態宣言解除されたものの公共の場所でのマスクが義務化されたり、マドリードではレストランなどもキャパ100%までお客さんを入れられなかったり、お店に一度に入れる人数が制限されていたりといろいろと制限がりました。
スペインでのマスク事情についてはこちらの記事をどうぞ。
ショッピングセンターでもショッピングセンターに入る時はもちろん各お店に入る時も必ずジェルで手を消毒しないといけなかったり、各店舗に入るための出入り口が各店舗1つだけしか開いていなくて人数制限していたり、試着室が閉鎖されていたりと緊急事態宣言前の生活に戻れたわけでは決してありませんでした。
それでもスペインの人は感染予防をしながらできる範囲で生活を楽しんでいる様子でした。
マドリードは7月から8月まで尋常じゃなく厚いので普段は夏場カフェのテラス席がなくなるのですが、今年はどんなに気温が上がってもみんな店内には入らず日陰のテラス席でおしゃべりを楽しんでいたり。
そしてさっきも少し触れましたが帰省したり夏のバカンスに出かける人も続々出てきて、7月に入ってからマドリードから地方への幹線道路が渋滞をおこしているというニュースも見ました。
うちも旦那の実家近くの海沿いの観光用アパートに行ったのですが、みんな他の海水浴客との距離を保ちつつものんびりと休暇を楽しんでいたんですよね。
しかもわたしたちが行った時はまだイギリスからの観光客の受け入れが制限されていたのもあって、平年よりビーチに人が少なくて過ごしやすかったんです。
でもここにきて一気にまたスペインの人たちの間に緊張が走っています。
うちの旦那は8月にもう一回ロックダウンが来るんじゃないかと言っているのですが、このまま感染者の数が増えていくと十分あり得る話だと思います。
となると9月から無事に学校は開けられるのかどうか・・・。
第2波の到来が回復してきていたスペインの観光業に再び打撃に

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スペインは観光業がとても主要な産業で、この業界で働いている人が沢山います。
バカンス期直前での緊急事態宣言解除とヨーロッパの国からの観光客の受け入れ決定で、それまで崖っぷちだった観光業界に光が差し込みました。
じっさいスペイン国内を始め、ヨーロッパ各国からホテルの予約が埋まっていき、リゾート地の7月8月は予約が取りにくくなっていたんです。
ただバルセロナの州政府が外出禁止令を出したのがきっかけで、回復の兆しが見えてきていた観光業に再び厳しい現実が突き付けられています。
7月23日現在スペイン国外からのホテルの予約が70%キャンセルされたというニュースが流れました。
フランスが自国民にバルセロナへの旅行は控えるように勧告を出したのとノルウェーがスペインから戻った人は自国民を含めて10日間の隔離を義務付けたりしたのも大きいと思います。
スペインの人たちは今のところスペイン国内へのバカンスをキャンセルする動きはあまり見られないものの、海外からのバカンス客無しではスペイン国内にあるホテルやキャンプ場はとてもじゃないけど埋まりません。
この後さらに感染が拡大してスペイン人が国内旅行すらできないような状況になれば、観光業界への被害は相当なものになるはずです。
そうなるとスペイン経済は瀕死の状態に陥りせっかく回復してきていた失業率が再びとんでもないことになりそうで恐ろしいですね。
第2波到来の兆しを見たスペイン政府や州政府の動き

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カタルーニャ州がロックダウンというのはなかなか衝撃なニュースでしたが、スペインの他の州も第2波到来の兆しを見て続々対策を打ち出しています。
ここではその一部を紹介しますね。
マドリードでは再び1度に集まることができる人数を規制
マドリードでは7月27日から1ち度に会合できる人の数を再び10人まで制限する予定です。
やはり家族内でのクラスターを押さえたいというのがあるのではないでしょうか。
夜の町への規制が強まる
スペイン各地で夜間営業するディスコへの規制が広がりそうです。
カタルーニャ州、ムルシア州ではすでにディスコの営業が禁止されているのですが、アンダルシア州、マドリード州も規制を検討しています。
やはり締め切った屋内でお酒を飲んだり踊ったりはクラスターが発生しやすく、マドリードで新たに2件のクラスターが夜の町から発生しています。
これは日本と少し状況が似ていますね。
老人ホームからの外出と訪問が制限される地域も
カスティーリャ・イ・レオン州しゅうでは感染者の増加に伴い老人ホーム入居者の外出と老人ホームへの訪問を再び禁止しました。
第1波の時にマドリードを中心に凄まじい被害を出した老人ホームはコロナの感染拡大に特に敏感になっているようですね。
まとめ
新型コロナウイルスの死者0が続いていたスペインですが新規感染者の増加とともになくなる方も1にち数人単位で出てきています。
カタルーニャでは重症者の受け入れでひっ迫している病院も出てきているようで、今後全国的に医療がひっ迫すると再度ロックダウンになる可能性もありますね。
マスクとソーシャルディスタンスで感染の急激な拡大は抑えられるかに見えたのですが、コロナはそんなに甘くなかったですね。
自分もしといて何なんですがやっぱりバカンスや帰省などの旅行は感染拡大に影響していると思います。
わた自身緊急事態宣言解除後ちょっと安心していたところもあったので、もう一度気を引き締めていきたいです。
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