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日本で選択的夫婦別姓を認めるかどうかの議論が活発になってきていますが、実は日本でも結婚相手が外国人の場合は今でも夫婦別姓が認められています。
そしてわたしが暮らすスペインは夫婦別姓の国なので、わたしを含めスペイン人と日本人のカップルの日本人は夫婦別姓にしていることが多いです。
夫婦別姓にすると新しい苗字に慣れる必要もなければパスポートなどの名前を変更する必要もないので楽なのですが、この場合気になるのは“子供の苗字はどうなるの?”なのではないでしょうか。
そこでここでは国際結婚で夫婦別姓を選んだ場合に子供の苗字の扱いについて、我が家の例を使って紹介していきますよ。
国際結婚で夫婦別姓を選んだ場合の子どもの苗字
まず国際結婚で子どもが生まれたら両親両方の国に出生届を提出しますね。
この時両親の苗字が違った場合子の苗字がどうなるのかというと日本では日本の法律に基づいて決められ、もう一方の国ではその国の法律によって決められます。
なのでもし日本ともう一方の親の国で子供の苗字の決め方が違う場合、日本の戸籍上の苗字ともう一方の親の国の登録での苗字が違うということもあり得ます。
うちの場合はまさにこのケースで日本のパスポートとスペインのパスポートでは子供達の苗字が違います。
国際結婚で夫婦別姓を選んだ場合日本の戸籍では子供の苗字はどうなるのか
さてそれでは国際結婚で夫婦別姓にしている場合、日本の戸籍上では子供の苗字はどのように扱われるのでしょうか?
実はこの場合、日本の戸籍では子供の苗字は日本人の親と同じになるんです。
そもそも国際結婚の家庭の場合戸籍謄本をとると外国人配偶者の欄はなく、欄外に“この国のこの人と結婚した”という注意書きがあるだけなんです。
日本人同士が結婚すると戸籍謄本の筆頭者は夫になりますが、国際結婚の場合で旦那さんが外国人の場合は日本人である妻が筆頭者になりその下に子供達の欄が並びます。
そして子供たちの苗字は筆頭者である母親(お父さんが日本人の場合は父親)と同じものが使われます。
もし国際結婚でも入籍した時に日本人の奥さんが外国人の旦那さんの苗字に変えたという場合は、お子さん達もお母さんと同じようにお父さんの苗字を名乗ることになり家族全員同じ苗字を名乗ることになります。
ただ日本人の親が夫婦別姓を選んだ場合は家族で苗字が変わり、日本の戸籍上では子供は日本人の親と同じ苗字になりますよ。
そしてこのルール上ではその子供がもう一方の親の国ではどういう苗字を名乗っているのかは一切影響されませんし、違うからと言って日本で何か問題になることもありません。
国際結婚で夫婦別姓を選んだ場合スペインでは子供の苗字はどうなるのか
我が家の場合旦那はスペイン人のためうちの子供達はスペイン人としてスペインのお役所にも登録されています。
そしてスペインでは子供達の苗字はスペインの法律によって決められています。
スペインは夫婦別姓なのでお父さんとお母さんの苗字が違っていて当たり前です。
わたしが夫婦別姓を選んだのはわたしが夫婦別姓や自分の苗字にこだわりがあったからではなく、スペインで暮していくならこっちの文化に合わせている方が面倒がなかったからなんですよね。
さて夫婦別姓の国スペインではみんな苗字を2つ持っています。
それは子どもはお父さんとお母さんの苗字を1つずつもらうからなんですね。
例えば
父の苗字 ガリシア・ぺレス
母の苗字 バウティスタ・ゴンサレス
の場合
子供の苗字 ガリシア・バウティスタ もしくは バウティスタ・ガリシア
になり、ほとんどのカップルがガリシア・バウティスタ(父の苗字・母の苗字)を選びます。
なので日本人が夫婦別姓でスペイン人と結婚した場合、
父の苗字 ガリシア・ぺレス
母の苗字 鈴木
だとしたら
子供の苗字 ガリシア・スズキ もしくは スズキ・ガリシア
になります。
スペインでも国際結婚の子供の苗字がもう一方の国でどうなっているのかは全く関係ありません。スペインでの登録上はあくまでスペイン流の苗字になります。
スペインではスペインに帰化した外国人もスペイン式に父親と母親の苗字両方を名乗らないといけなく、日本の戸籍と同じに子どもの苗字を変えることはできません。
うちの子ども達は生まれてからずっとスペインで暮らしているので苗字が2つあることが普通になっていて、なぜ日本のパスポートではわたしの苗字だけになるのか不思議がっています。
さらにうちの旦那は日本の戸籍で自分の情報が完全に無視されていることが結構不満のようです。
子供の苗字が2国間で違うことで何か問題はあるのか
うちのように子どもの苗字が日本ともう一方の親の国で違う場合、何か問題は出てくるのでしょうか。
正直に言うと今までこれで困ったことは1度もありません。
子連れで里帰りする時、お子さんパスポートを日本のものともう一方の国籍のものを両方用意する方がほとんどだと思います。
住んでいる方の国のパスポートだけでも大丈夫と言ったら大丈夫なのですが、日本のパスポートを持ってないとたとえ日本国籍があったとしてもお子さんとあのめちゃくちゃ込んでいる外国人向けの入国審査の列に並ばないといけなくなってしまいますから・・・。
ただ苗字が違うパスポートを2冊持っていることで、これまで一時帰国やスペインへの再入国でトラブルになったことはありませんよ。
初めて子供を連れて日本に里帰りする時スペインと日本のパスポートで子供の苗字が違うことで何か言われるかなとドキドキしていたのですが、出国審査でも入国審査でも全く何も言われませんでした。
というか入国審査官はヨーロッパを出る時とヨーロッパに入る時はスペインのパスポートしかちゃんと見ませんし、日本に入国したり出国する時は日本のパスポートしか見ないんですよね。
あえてデメリットをあげると子供がスペインにいる時はスペインの苗字を名乗るし日本にいる時は日本の苗字を名乗るので、親はともかく子どもにとってはややこしいことでしょうか。
でも国際結婚の家庭の子供は生まれた時からずっと家の中に2つの文化と言語があるのが当たり前になっているので、苗字の違いも結構すんなり受け入れられるようではあります。
まとめ
国際結婚で夫婦別姓を選んだ場合、子供の苗字は日本では日本人の親と同じ苗字になり、もう一方の親の国ではその国のルールに従って決められます。
子供の苗字が日本ともう一方の国で違ってしまうこともありますが、だからといって困ることはほとんどありません。
スペインのような絶対夫婦別姓の国じゃなくても、国際結婚で別姓を選ぶ方や自分の苗字を残そうと考える方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。
子供の苗字の扱いは少しややこしくなるものの、正直生活していてほとんど気になることもなければトラブルを呼んだこともないので、自分の苗字をどうするかは自分の好きなように決めた方が後悔が少ないのではと思います。
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