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新型コロナウイルスの第2波が全国的に深刻になり、とうとう各州で制限措置をとりやすくするために緊急事態宣言が出されたスペイン。
スペインでは夏ごろから全土で屋外でもマスク着用が義務化になっているので、家から1歩外に出るとみんながマスクをしています。
でも一口にマスクと言ってもいくつか種類があって、どんな時にどのタイプを使うべきなのかなど結構細かく決められていたりします。
ここではスペインでマスク選びに迷っている方のため
に、スペインにあるマスクの種類やそれぞれの特徴などをまとめていきたいと思います。
スペインにはどんなマスクがあるの?

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スペインで市販されているマスクの種類は大きく分けてこの3種類です。
Mascarilla Higiénica(衛生マスク)
Mascarilla Quirúrgica(サージカルマスク)
Mascarillas EPI(EPIマスク:FFP2マスク等)
Mascarilla Higiénicaは使い捨てタイプと、洗って何度も使えるタイプがあります。
パンデミックが始まった当初は使い捨て出来るタイプは全部サージカルマスクだと思っていたのですが、衛生マスクかもしれないと知って驚きました。違いが分かって使い分けられるようになったのは数か月前のことです。
というように見た目だけでは区別がつかなくてややこしかったりもするので、それぞれについて特徴やどんな時に使用が薦められているのか、また品質管理の承認番号等について詳しく見ていきましょう。
Mascarilla Higiénica(衛生マスク)

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Mascarilla Higiénica(衛生マスク)はスペインで一番よく見かけるマスクで、メルカドーナなどの主要スーパーで売られているのは殆どがこのタイプです。
不織布の使い捨てタイプと洗って使えるタイプがあり、子ども達は学校に行く時にMascarilla Higiénica(衛生マスク)にカテゴライズされる洗って使える布マスクを使っている子が多いです。
万が一新型コロナウイルスの無症状感染者だった時に周りに感染を広げないようにするのが使用の目的で、(一見)健康な人に使用が薦められています。
このMascarilla Higiénicaというカテゴリーは実は新型ウイルスが流行した後にできたものです。Mascarilla Quirúrgica(サージカルマスク)やMascarillas EPI(EPIマスク)ほどの機能はなくても感染拡大防止につながる最低基準を満たしたマスクという位置づけです。
Mascarilla Higiénica(衛生マスク)ができたことで、マスクの大量生産がより簡単になり住民全員に十分な量のマスクが行き渡るようになりました。
Mascarilla Higiénica(衛生マスク)が満たさないといけない基準はこの2種類です。
・バクテリア濾過効率(BFE) 7 µmから0.65 µmの粒子やバクテリアを95%以上遮断する(洗えるタイプは90%)
・通気性 60 Pa / cm2未満
バクテリア濾過効率(BFE)・通気性共にMascarilla Quirúrgica(サージカルマスク)よりは劣るのですが、それでもなかなかの品質ですね。
この品質基準を満たした商品は使い捨てタイプの場合UNE 0064、洗えるタイプの場合 UNE 0065という承認番号が表示されていますよ。
特に洗えるタイプのマスクを購入する時はこの承認番号が付いているかどうか=一定のバクテリアに対するフィルター効果や呼吸のしやすさが確保されているかどうかを必ず確認するようにしたいですね。
最近ではスーパーで売られているMascarilla Higiénica(衛生マスク)の使い捨てタイプでもバクテリア濾過効率が99%以上というように高性能化しています。
Mascarilla Quirúrgica(サージカルマスク)

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Mascarilla Quirúrgica(サージカルマスク)は外科用マスクのことです。
新型コロナウイルスが疑われる症状があったり症状はなくても陽性者と接触があったことが分かった人はこのタイプのマスクの仕様が推奨されています。
見た目はMascarilla Higiénica(衛生マスク)とほぼ変わらないのですが、医療用にも使われるだけあって品質がMascarilla Higiénica(衛生マスク)と比べて高いです。
そしてType1とType2がありType2の方がより高性能になっています。
Mascarilla Quirúrgica(サージカルマスク)が満たさないといけない品質基準はこちらです。
・バクテリア濾過効率(BFE) 7 µmから0.65 µmの粒子やバクテリアをType1だと95%以上、Type2だと98%以上遮断する
・通気性 40 Pa / cm2未満
Type1だとバクテリアの遮断率はMascarilla Higiénica(衛生マスク)と同水準ですが、Mascarilla Quirúrgica(サージカルマスク)の方がより呼吸がしやすいです。
このノルマをクリアした製品にはEUの品質基準であるUNE EN 14683の認証番号が付いていますよ。
ちなみにMascarilla Quirúrgica(サージカルマスク)は使い捨てタイプしかありません。
Mascarillas EPI(EPIマスク)

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Mascarillas EPI(EPIマスク)は非常に高い感染防止効果が認められるマスクのことです。FFP2マスクと言った方が分かりやすいかもしれませんね。薬局で普通に手に入るものの医療関係者を始め新型コロナウイルスと疑われる症状がある人と接する必要がある人が使用するべきタイプになります。
Mascarilla Higiénica(衛生マスク)やMascarilla Quirúrgica(サージカルマスク)とは異なり、尖ったカップのような形をしていますよ。
フィルターの種類によりFFP1, FFP2, y FFP3があり数字が大きい方がより性能が高いのですが、市場でよく見かけるのはFFP2で、最近FFP3マスクもちらほら見かけるようになりました。
Mascarillas EPI(EPIマスク)のFFP2が満たす要件はこちらです。
・バクテリア濾過効率(BFE) 7 µmから0.6 µmの粒子やバクテリアを92%以上遮断し外部に漏れだす粒子が8%以下
・エアロゾル感染も防ぐ効果あり
使い捨てタイプにはNR、洗って使えるタイプにはRと表示されていますが、洗って使えるタイプはまず見かけません。
この品質基準を満たした製品にはUNE EN 149の認証番号が表示されていますよ。
ここで紹介した3種類の中ではエアロゾル感染にも効果がある唯一のマスクですが、新型コロナウイルスの感染を完全に防ぐには0.3 µmの粒子をブロックするマスクが必要なので完全に感染を防ぐ効果があるとは言えません。
0.3 µmの粒子をブロックできるマスクはアメリカの品質基準によるN95マスクなのですが、スペインではこのマスクは医療機関に送るために9月いっぱいで一般のお店での販売が終了しました。
ヨーロッパ各国でFFP2マスクが推奨される流れに
2021年に入りドイツで公共の場所でFFP2マスクの着用が義務化され、フランスでもFFP2マスクの着用が推奨されています。
スペイン政府は感染拡大を防ぐにはサージカルマスクで十分という見解を発表しているものの、自発的にFFP2マスクを使う人が増えてきています。
前と比べてかなり手に入りやすくなって値段も下がったのもあるかもしてませんが、今後FFP2マスクがさらに一般的になってくるんじゃないかなと思います。
まとめ
スペインでは2020年の夏ごろまではマスクの値段が高かったのですが、秋ごろから一気に安く買えるようになりました。
それと同時にサージカルマスクがかなり市場に流通してきて、使い捨ての衛生マスクを見かけなくなってきています。
衛生マスクでも布マスクは種類が増えて、使っている人も結構いるんですけどね。
スペインでは黒のマスクをする人が若い人中心に多いです。
ただわたしは最近FFP2マスクを中心に使うようになりました。
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