スペインを代表する食べ物の一つであるイベリコ豚の生ハム。スペインに行ったらぜひ食べたいと考えている方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
実際スペインのレストランやバル、それにスーパーやお肉屋さんには生ハムが丸ごとカットするための台にのせて置かれています。
ただスペインの生ハムは全部イベリコ豚なわけではなく、それ以外の豚肉で作られた生ハムもあります。イベリコ豚の生ハムは特別な時に食べる高級食材で、日常的に食べられるのはそれ以外の普通の生ハムだったりもします。
ここではスペインの生ハムについて詳しく紹介していきますよ。
イベリコ豚の生ハム（Jamón Ibérico）
スペイン産のイベリコ豚の生ハム（Jamón Ibérico）は日本を含めた世界中で人気が高いですよね。
パエリアやスパニッシュオムレツとともにスペインの食べ物とはときかれたときに真っ先に浮かぶ食材で、実際バルやレストランに行くと必ずといっていいほどメニューに載っていたりもします。
足そのままのかたちの生ハムのかたまりを台に乗せて、長いナイフで薄くカットしていくというスタイルも有名なのではないでしょうか。
イベリコ豚の生ハムの特徴は生ハム全体に脂肪分が霜降りのように入っているところです。それにもかかわらず食べても全く脂っこくないんですよね。口に入れると脂身が解けていくような感じでそれと同時に旨味が舌の上に広がっていきます。
スペインでも日常的に食べるには値段が高いため、お客さんが来る時やクリスマスのディナーなど特別な時に食べられますよ。
イベリコ豚ってどんな豚？
生ハムで世界的に有名になったイベリコ豚ってどんな豚なのかご存知でしょうか。イベリコ豚はスペイン固有の種とされる黒豚です。
豚は通常雑食で色々な穀物を食べるのですが、イベリコ豚の場合は1年のうち9月から11月頃までどんぐりを食べて育ちます。また飼育スタイルも独特で他の豚たちが厩舎で飼われているのが一般的なのに対し、イベリコ豚は放牧されているんですよ。
どんぐりをたっぷり食べて育つためイベリコ豚は他の品種の豚に比べてオレイン酸の含有量が高く、ビタミンも豊富に含まれています。さらにたっぷり含まれる脂身には善玉コレステロールを増やす働きがあるともいわれていますよ。
イベリコ豚が飼育されている場所は主にアンダルシア地方、エクストレマドゥラ地方、カスティーリャ・イ・レオン地方の山岳地帯にあるオークの森です。
地中海の温暖な気候の中で育った豊かなオークからとれるどんぐりをたっぷり食べていることが、イベリコ豚の生ハムがあんなにもおいしい秘密なんですね。
またイベリコ豚は生ハムだけでなく生のお肉としても売られています。
特にセクレト・デ・イベリコという部位は霜降りでとっても柔らかく、レストランのメニューになっていることも多いです。
スペインにあるイベリコ豚以外の生ハム（Jamón Serrano）
イベリコ豚の生ハムは高級食材と言いましたが、ではスペインで日常的に食べられているのはどんな生ハムなんでしょう。それはハモン・セラーノ（Jamón Serrano）です。
白豚やイベリコ豚と同じ品種でもどんぐり以外で育った豚で作った生ハムをまとめてハモン・セラーノ（Jamón Serrano）と呼んでいます。
イベリコ豚の生ハム（Jamón Ibérico）とハモン・セラーノ（Jamón Serrano）は素人でも簡単に見分けがつきます。脂肪分が生ハム全体に入っているのがイベリコ豚の生ハム（Jamón Ibérico）で、脂肪分が一部にだけまとまって入っているのがハモン・セラーノ（Jamón Serrano）です。
ハモン・セラーノ（Jamón Serrano）はイベリコ豚の生ハムの10分の1以下の値段で、庶民でも気軽に生ハムとしてスペインの人たちに愛されています。
イベリコ豚の生ハムのようにカットしたものをそのまま食べることもあるのですが、バゲットにはさんでサンドイッチにすることも多いんですよ。
スペインのホテルの朝食のビュッフェで出されるのはほとんどの場合ハモン・セラーノ（Jamón Serrano）のはずです。
庶民的な食材でありながら十分に美味しいので、切り売りしてくれるスーパーやお肉屋さんを見つけたら100ｇほど切ってもらってぜひ食べてみてくださいね。
まとめ
生ハムはスペインから日本に持って帰れないのでお土産にはできないのですが、その分現地でたっぷり食べて楽しんでくださいね。
イベリコ豚の生ハムは一度は食べていただきたいのですが、ハモン・セラーノもかなり美味しいのでおやつや夜食にぜひどうぞ。
コメント