渡西から10年、東日本大震災10年のニュースへの思い

このブログでは普段スペインやスペイン旅行に興味がある方に向けての情報を発信していますが、今回は自分の思いについて書きたいと思います。

2021年3月11日、日本観測史上最大M9.0の地震と未曾有の津波が日本を襲った東日本大震災から丁度10年経ちました。

わたしが今の旦那と結婚するためにスペインに渡ったのは、実は東日本大震災が起きた直後の2011年4月初旬だったんです。

地震が起きた当時大阪に住んでいたわたしは大きな揺れや津波は体験していません。ただ地震発生時大阪も揺れたんですよね。当時働いていた会社で退職に向けた引継ぎをしていた時期だったのですが、オフィス内を歩いていた時にカタカタカタと小さく、でもはっきりわかるくらい揺れ出して思わずしゃがみこんだのを覚えています。

その時点では東北地方がどうなっているかも全くわからず、「大阪で普段よくある程度の地震が起きた」くらいにしか思っていませんでした。

就業時間になって上司に「家に帰ってニュースを見たらびっくりすると思う」と言われて更衣室に行くと、スペインの現主人からボイスメッセージが入っていました。

この時点でもまだ?状態だったのですが(当時ガラゲーでケータイでニュースとか見なかった)、家に帰ると両親がテレビの前で真っ青な顔をして「津波が来た」と言っていてそこで初めて日本に何が起こったのかを知ることになりました。

津波による壊滅的な被害と福島の原発事故、そしてどんどん増えていく犠牲者と行方不明者の数。毎日更新されていくあまりにも酷いニュースに、被害がなかった西日本も重苦しい雰囲気に包まれていました。

そして年明けすぐに手配していた渡西のための航空券の日付が迫ってきます。

このタイミングで日本を離れていいものなのか本当に悩んだものの、両親に延期せずにそのまま行けと背中を押されて予定通りスペインへ向かうことにしました。

関空発パリ行きのエールフランスの機内はガラッガラで、そのうえ日本人の乗客がほとんどいなかったのを覚えています。

わたしがいるから何かできるのかというと募金くらいしかできませんでしたが、何となく一番大変な時に祖国を捨てるような後ろ髪引かれる思いがあったんですよね。

スペインについてから始まった怒涛の日々の中いっぱいいっぱいだったのあり、また日に日に東日本大震災関連のニュースが少なくなっていったのもあり、徐々に頭の中から震災についての思いが消えていきました。

でも毎年この時期にニュースを見ると、当時のことを鮮明に思い出します。

そして今年の震災から10年後の節目。スペインでもこのニュースが取り上げられました。

震災直後にスペインに来て10年目、うちの上の娘が今年9歳になります。

わたしにとってこの10年は結婚、2人の子供の出産と子育てというとても内容の濃い、大きな変化があった10年でした。

でもいっぽう東日本大震災の被災者の方の中には、未だに行方不明のまま見つかってなかったり、福島の自宅に帰れなかったりする方が沢山いらっしゃると聞きます。

誰も責めることができない自然災害、でも1度の地震と津波で亡くなった方が現時点で15,899名、未だ行方不明の方が2,525名。あまりに酷い被害です。

わたしがここからできることなんてないのですが、これからも毎年この時期になるとこの地震のことを思い出すでしょう。

この震災でお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。またご遺族の方に1日でも早く心休まる日が訪れますよう祈っています。

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