スペインの首都マドリードにはプラド美術館やレティ―ロ公園、それにプエルタ・デル・ソルや王宮など超有名な観光地が沢山あります。
そんな中今回紹介するのは国立考古学博物館。
あまり知られていないかもしれませんが、スペインで出土した古代の遺物が沢山展示されている超大型の博物館です。
通常でも入場料が驚くほど安いのですが、2021年の7月10日からと9月30日は入場料が無料になっていたのもあり子ども達を連れて見学に行ってきました。
ここではマドリードの隠れた名スポット国立考古学博物館についてお伝えしたいと思います。
マドリードの国立考古学博物館について
マドリードの国立考古学博物館の(Museo Arqueológico Nacional)歴史は長く、創設されたのは1867年。イサベル2世が王室が保管していた考古学や民俗学に関する資料を分類、展示する必要があると考え、王令を出したのがきっかけです。
現在の建物はフランシスコ・ハレニョ・イ・アラルコンによる新古典主義の重厚な建物で、1866年から26年間かけて建設されました。
古代から近代までのスペインや地中海沿岸地域で出土した貴重な資料が展示されていて、館内を一周すると特に旧石器時代からイスラム支配時代までのイベリア半島の歴史の流れを総括することができます。
古代ギリシャや古代エジプトの遺物も見ごたえがありますよ。
マドリードの国立考古学博物館見学レビュー
わたしがマドリードの考古学博物館に行ったのは8月上旬。
マドリードは夏ものすごく暑いにも関わらず海がないため、7月と8月は住民がこぞってバカンスに出かけていなくなります。いつもはその分観光客が増えるのですが、2021年はコロナで海外からの観光客が激減。渋滞もなく駐車スペースはいつも空いていて、街もガラガラです。
でもやはり無料で見学できる期間なのもあって、国立考古学博物館は結構混んでいましたね。
入場するとまず1階に先史時代の遺物が広いフロアを埋め尽くすように並んでいます。
まず目に入るのは猿人・原人・旧人・新人など骨、次にこの時代の人たちの生活を垣間見ることができる食器や武器それに装飾品などを時代順に見学することができます。
この時代の儀式に使われていた、顔つきの装飾品が気になりました。
動物をかたどった器も多かったです。
次に2階に展示されているのがスペインの原史時代の遺物です。ここでは国立考古学博物館に行くなら必ず見るべき展示品があります。
それがこちらのレディ・オブ・エルチェの像です。
なぜそんなに大切なのと不思議に思ったかもしれませんね。その理由を簡単に説明しておきましょう。
スペインはこの時代の後古代ローマの一部となり、その後西ゴート王国を経てイスラム支配の時代に入ります。(スペインの歴史について知りたい方は、こちらの記事もご覧くださいね。)
でもこの像は古代ローマの一部となる前の時代、この土地で暮らしていた人たちが独自に文化を育んでいた時代のものです。
他のどの文化の影響もうけていないスペインらしい文化を象徴するものということで、外のどの展示物より重要だとされているんですね。
この時代はこの像以外にもなぜか女性の像が多かったです。
また金の装飾品もきれいでしたね。
3階には古代エジプトと古代ギリシャの遺物が展示されています。
古代エジプトの遺物はあまり数は多くないものの、ミイラも数体ありましたよ。
古代ギリシャの遺物は陶器が中心ですが、結構充実していました。古代ギリシャ時代のものを見るのは初めてだったのですが、黒を基調とした陶器の数々は本当に美しかったです。
古代ギリシャ時代の展示の後、おそらく3階と2階の間の階に古代ローマの遺物が並んでいます。ここでの見どころはやはりモザイクでしょう。
この後イスラム文化の美術品が並ぶスペースを見てから、この日の見学は終了しました。
夢中で見てまわっていたので気付かなかったのですが、なんと入場してから2時間以上たっていました。
わたしが暮らすアルカラ・デ・エナレスにも考古学博物館があるのですが、比較にならないくらいの規模でした。
6歳と9歳の子ども達はプラド美術館より楽しんでいたので、お子さんと一緒にマドリードを旅行される方にもおすすめです。
まとめ
軽い気持ちで入ったものの結局全体を見るのに2時間以上かかってしまいましたが、展示内容はかなり見ごたえがありました。
もし興味があれば、ぜひ一度国立考古学博物館にも足を延ばしてみてくださいね。
通常時でも入場料は€3しかかかりませんし、アルカラ門からほど近い場所にあり地下鉄セラーの駅から徒歩3分と簡単にアクセスできます。
恐ろしく暑いマドリードの夏の昼間にも、恐ろしく寒いマドリードの冬の朝にも、快適に見学できるのも魅力ですよ。
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